俺たちの生きた時間企画・制作・監督:渡辺義充
構成:須藤出穂
編集:山田洋造
効果:佐藤良介
ナレーター:宇崎竜童
撮影:非行少年隊
音楽:田中裕
1982/カラー/16ミリ/86分

元暴走族BLACK EMPERORの幹部渡辺義充はラジオ局のアシスタントやレポーターを経験後、古巣に帰り暴走族の映画を撮り始める。この時渡辺は未だ21才であった。暴走族とはかつてはカミナリ族とも呼ばれ、深夜に改造した車やバイクに乗って集団で都会を暴走するティーンエイジャーの集団である。警察を敵とし、パトカーとチェイスすることが、彼らなりの社会への反抗である。独特の服装でグループを成し敵対するグループとの抗争も繰り広げるため内部の結束力は強い。彼らは毎週土曜日の夜に出没し一晩中、目的のない暴走を繰り返す。しかし1978年12月1日新道路交通法による規制により、彼らの「暴走の季節」は終わりに近づいていた。映画はこの最後の夜に向かってただ走り続ける彼らの姿を映し出す。当時全国的にも広がっていた暴走族への興味から一般配給され一般の劇場で公開された珍しい作品。映画の中でも監督宣言をした渡辺はこの後タイ、インド、ネパール、チベットを巡り『伝承(Transmission)』(1992)の撮影を終え、その編集後に若くして他界した。

ちなみにこの映画は暴走族のブラックエンペラーの記録映画だったため、上映館などが暴走族を恐れて上映拒否しそうだ。貴重な映像です。

音楽は同名の映画サントラ盤として発売され、演奏はクロスウィンドと当時キティで活躍していた白竜さんが担当しています。レコーディングはキティが所有していたキティ伊豆スタジオで行なわれ、機材をドカ!っと積み込んだ楽器車で出向いて2~3日スタジオに泊まり込んで制作を行ないました。